2011年1月28日金曜日

イリス☆☆☆☆☆


2011年1月28日 イリス☆☆☆☆☆ ゲネプロ 於 東京芸術劇場大ホール

イリス・・・・・・・・・・・・・小川里美
大阪・・・・・・・・・・・・・・ワン・カイ
京都・・・・・・・・・・・・・・晴 雅彦
チェーコ・・・・・・・・・・・・ジョン・ハオ
ディーア・・・・・・・・・・・・市原 愛
人形・・・・・・・・・・・・・・ホリ・ヒロシ
指揮・・・・・・・・・・・・・・井上道義
合唱・・・・・・・・・・・・・・武蔵野音楽大学
演奏・・・・・・・・・・・・・・読売日本交響楽団

あたくしが一番好きなオペラ,イリス.本番は明後日30日ですが,ご招待いただいて公開のゲネプロを見に行くことができました.

前回の公演も見事でしたが,今回は如何に?

で,結論から言うと,この作品,イリスは高音でスピントの効いた声からソットヴォーチェまで自在に操らなくてはいけないし,結構歌い詰めですし.実は里美ちゃんの歌をフルのオペラで聴いたことはなかったので(池辺センセの現代物はあるけど)こんなハードな作品が歌えるのかと思ったのですが(だって元ミスユニバース日本代表の細い体よ),杞憂でした.

里美ちゃんはトゥーランドットを歌った歌手です(リューではありません)見事に歌いきりました.あの細い体のどこからあんな強い声が出るのでしょう.良く響いてました.芸劇の残響がちょうど良い感じでした.

次に良かったのがディーアの市原 愛さん.人形劇のシーンの声の演技が見事でした.このシーンは多少「臭い演技」が必要とされます.


さて,イリスと言えば冒頭と幕切れの巨大な合唱曲「太陽の賛歌」ですが,合唱の武蔵野音楽大学,見事でした.あたくしが初めてイリスという作品に出会ったのは,メトロポリタンオペラのセンテニアルガラVTRでメトの合唱団が歌ったこの曲でした.メトのコーラスと言えば,ぶら下がるは,揃ってないはと下手くそで有名ですが,そんな下手くそな歌でも,粘っこいオーケストレーションに魅せられました.

同じ頃やはり井上ミッチーの指揮で,東 敦子,松本美和子という,当時の最高のソプラノで初演され,NHKで放映されましたが,照明が暗くて開幕の合唱はカットされたように記憶してます.その後トコディ・ドミンゴの名盤CDが発売され,むさぼるように聴いた物でした.

一昨年のセミステージ上演の時には,偶然,芸劇の客席で里美ちゃんのすぐそばの席になり「数あるオペラで一番好きなのよ」と話しました.その後,新国のホワイエで再会したとき「今度イリス歌うことになりました」と聴いて,「あたくしの一番好きなオペラを一番大切な歌手が歌う」ことになったので,もう天にも昇る心地で今回の公演を待ってました.

ミッチーは暗譜で振ってましたが,ミッチーの指揮は,音楽に疎いあたくしが見てもグイグイ引っ張られる振り方です.開幕のコントラバス独奏からホルンのあたりまで,読響は暖まっていない感じがしたのですが,その後はいい音出してました.

二幕の冒頭の芸者のハミングの曲のテーマは,その後は胡弓で弾かれていました.

字幕も「オペラ」の部分,「ト書き」の部分「(オペラの中での)歌の部分」でフォントまで変えてありました.字幕監修もミッチーなのですが,京都と大阪を関西人にしているのが?????かな.大阪は関西人でも良いけど,京都は吉原の人間だと思うので,江戸言葉のほうが良かったのでは?

NHKホールの見かけ倒しで全く聞こえないシュッケ社のオルガンと違い,(当初は)何かと悪名高かった「エイリアンの顔そっくりの」ガルニエのモダン側オルガンもいい音出してました.


さて,明後日の本番が待ち遠しいのですが,この分なら楽勝でしょう.

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