2011年3月19日土曜日

落語物語☆☆☆☆☆

2011年3月19日 落語物語☆☆☆☆☆
これまで林家しん平が監督した映画は,怪獣映画で,言うならば色物際物系であった.今回の映画は大まじめな映画です.尺が短いのにエピソード満載で,可笑しくて悲しくて涙が出てきます.
落語というのは,一人芝居のようなもの.いつもは高座の上で,ほとんど動かないでやっている事を実際に動いて演じるだけの事,だからどの噺家も演技が達者です.もっとも隅田川馬石は元役者だし,三遊亭小円歌も役者志望,うまくても当然か.
で,引っ込み思案でおっちょこちょいの真人(三遊亭わさびが好演)は偶然寄席で見た今戸家小六に弟子入りする.内弟子になり,おかみさんにも気に入られ,「小春」と名前を貰い前座修行が始まる.そして起こる,悲喜こもごも.
小六のピエール瀧,おかみさんの田畑智子,良い味出してます.おかみさんがいないと何も出来ない師匠.ところが,体調を崩し病院へ行ったおかみさんは,かえって来るなり猛烈に何かをノートに書き始める.おかみさんはどうも手遅れだったみたい.で,今際の際にそのノートを小春に渡す「小春は器用な子だから,これを見ればできるよね」それはおかみさんの料理レシピ本だった.(涙)
他にもマスコミで売れっ子になった女流二つ目にトリを取らせる取らせないで揉める協会の理事会とか,落語を楽しめなくなった落語家の自滅話とか,いろいろなエピソードがあります.もちろん楽屋オチが多いので落語や寄席の事をしっらないと楽しめない部分も多いでしょうが,単にドタバタ喜劇としても充分楽しめます.
女流落語家を演じた三遊亭小円歌,おかみさんのお父さんで,柳家権太楼,浅草演芸ホールの社長が三遊亭歌武蔵,みんなうまい演技してます.寄席のシーンの客席にもカメオがたくさん.
残念ながら都内でも東劇一館だけの上映です.上映期間もそれほど長くないようですので,東劇へ急ぎましょう!

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