2011年9月3日土曜日

あしたのパスタはアルデンテ☆☆☆☆☆

2011年9月3日 あしたのパスタはアルデンテ☆☆☆☆☆

 ヲカマには実に心に染み入る映画です.
南イタリアレッチェというから,イタリアの,かかとの先っぽの辺り.当然北のミラノやローマとは常識も違う.そんなパスタ会社の次男坊,トンマーゾが,久しぶりにローマから帰郷し,会社の経営に加われと言われる.弟をローマに出すために地元に残って経営に加わっている兄に3つの秘密を打ち明ける.
  1. 実はローマでは経営ではなく文学部で学んだこと
  2. 実は作家になりたいこと
  3. 実はゲイであること
ゲイだと言えば父親に勘当されて,ローマで自由に暮らせると企んでいること.
ところが,翌日の晩餐のとき,兄が「実は話がある,僕はゲイだ」と・・・
で,お兄ちゃんは勘当されて,晴れて自由のみに.
一方のトンマーゾは,お兄ちゃんに代わり,ローマに恋人を残したまま,工場の経営陣に.
この家族のマンマとバッボは,自分の子供がゲイだなんて全く気がついてない.兄弟二人の間には女の子がいるが,彼女は兄と弟がゲイであることは知っていた.おばあちゃんも知ってる.
で,このおばあちゃんは,何かというと「ニコラと二人で」と言うが,ニコラとは,結婚できなかった恋人,夫の弟の名前「叶わない恋は終わらないのよ」
伯母さんのルチアーナは,昔恋人と駆け落ちしてロンドンで捨てられた過去がある.以降アルコール依存気味.
 で,いろいろあるのだけど,「愛に生きる」事ができなくて,今も糖尿で「好きなお菓子を食べる事ができない」おばあちゃんが,「他人の望む人生なんて,つまらない」と言う事で,盛装して,きちんとお化粧をして,山のようなケーキを食べて死んでいく.
そのおばあちゃんの 葬式の後,まるでフェリーニの映画のように,映画のキャストが全員出てきて踊りだす.それを離れて見ているトンマーゾ.自分の人生を生きる事ができるでしょうか・・・・・・
途中でトンマーゾのローマの「お仲間」が来て,海辺で「プリシラ」風になったり, ヲカマ的にはいろいろ楽しめる映画です.
それにしても「北イタリアのいい男は全部ゲイ」と女どもが嘆いていたのが,確か20年ほど前.しかし,今でも南イタリアではこういう風なんですね.

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