2013年3月9日土曜日

公開処刑版 鬼女まつり

公開処刑板 鬼女まつり (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
あたくしも書き込んだりはしませんが,情報量が多く,玉石混淆ながら,玉の質が高い鬼女板はよく読んでます.変態毎日新聞の時は面白かったですね.ですから,まー読む前からハラハラドキドキでしたが,大したことはありませんでした.
というより,鬼女板の部分は割とリアルなんですが,そのまわりの人間があまりにもお馬鹿さんで,だからこそ鬼女の生け贄になってしまうのかも知れないけど.

  • 神奈川県の某高校で苛めによる自殺があって,うやむやにされかけたので鬼女様たちが動く
  • 被害者両親は刑事告訴するも,犯人が割れると示談を条件に告訴を取り下げる.さらに遺書があったはずなのに公開しない
  • 同じような頃,別の高校を妊娠を機にやめた主人公の理沙子は某高校の担任と間違われブログに執拗に嫌がらせを書き込まれ,住所も氏名も鬼女板に晒される
    何らかの理由で自分が対象者では無いことについてはダンマリ
  • 苛め犯人の一人は自殺,一人は発狂.
  • ところが,理沙子も自身のブログで対応の悪い店を実名で晒して閉店に追い込んでいた
理沙子は全くの情弱で,情弱だからトラブルに巻き込まれたし,無言電話に対抗する手段も持ち合わせていない.(今時の電話,非通知や公衆電話は設定により,鳴ることすらない.)ブログが炎上していても呆然(ある意味正しい行動)ネットで言う半年ROMれ,ブログなど半万年早い人.
文中の鬼女板の部分はリアルだけど(縦書きなのがちょっと),必死に理沙子を叩くコテハン,鬼女板ならこっちがもっと叩かれるはず.さらにそのコテハンは,ネットや鬼女板を使いこなせる設定では無いような気がする.
つまり,鬼女板の部分はリヤルだけど,ストーリーとしては情弱ばかりのイラつく話です.
ま,たしかに鬼女板は恐ろしいけど,鬼女たちは「法に触れたりはしない」「原則として正義でしか動かない」ので,他の掲示板とは異なります.また知的レベルも情報リテラシーももの凄く高いです.変態毎日新聞の時に思い知らされました.
  • 絵のうまい奥さまがポスターを作製.
  • 語学の得意な奥さまが英語フランス語等に翻訳
  • ネットプリントを使って津々浦々の奥さまが印刷
  • 法的に微妙なポスティングは行わず「ついうっかり置き忘れ」作戦
  • 届け出の面倒なデモは行わず,集団お散歩
  • 変態毎日新聞社では無く,スポンサーに電凸
  • 毎朝朝刊の広告をチェックして,スポンサーのあぶり出し
鬼女を怒らせてはいけません.

1 件のコメント:

こうさく さんのコメント...

情弱ばかりのイラつく話ですね。

しかも物足りなかったりします・・・。
サクサク読めてしまいました。
ちょっと空振り・・・?

堀内さんの作品の感想をいろいろ見ていたら、意外にもからくちな
論評を見つけたので貼っておきますね。
http://www.birthday-energy.co.jp/
詳しくはそのサイトの主に訊いて頂くとして、堀内さんの意外な
性格までふれているところがすごいね・・・。