2013年8月9日金曜日

風立ちぬ☆☆☆☆☆

2013年8月9日 風立ちぬ☆☆☆☆☆

公開後の評価が真っ二つ.一般的に言って若い人には受けが悪く,親父達にいける映画のようです.ゆとりには全く意味がわからないようです.
あたくしのように,戦後わりとすぐに生まれて,戦後の復興,傷痍軍人,結核,サナトリウムと言った単語に馴染んでいて,堀辰雄の「風立ちぬ」や,もう少しゲイテイストの強い福永武彦の「草の花」なんかをむさぼるように読んだり,身近に結核で亡くなった人がいると,涙無しには見られない映画です.
モデルなったのは三菱重工業で航空機の設計をしていた堀越二郎.その妻菜穂子のモデルは,堀辰雄がサナトリウムで知り合った女性.
関東大震災の時に出会い,その後軽井沢で再会し,恋愛に発展するも,結核が悪化して無くなる.身を粉にして設計に勤しむ二郎と,最後の時間を共にする菜穂子.
そして,くどい説明は一切廃して「菜穂子の死」「終戦」を暗示する.
映像と音楽がとにかく美しいです.
途中に「会議は踊る」の「ただ一度」が歌われますが,ドイツ語ドイツ映画と言っても,舞台はウィーンですからね.

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