2017年1月25日水曜日

沈黙-サイレンス-☆☆☆☆

2017年1月25日 沈黙-サイレンス-☆☆☆☆

恐ろしく尺長いけど,退屈しません.
この作品,昔読んだような気もするけど,最近はオペラで見ただけです.
日本人は賢いな.キリスト教を弾圧する時,始めは徹底的に殺していた.しかし,殉教が信仰を強くするとわかると,切支丹の農民を,神父の目の前で拷問,惨殺し,神父に「お前が棄教しないと奴らが苦しむ,棄教することにより助かる人間のほうが,キリスト教により苦しめられる人間より多い」と棄教をすすめる.
主人公ロドリゴも同じように,自分の師であった転びバテレンのフェレイラこと沢野忠庵に諭されて転ぶ.オペラにもあったけど,穴吊りと言う悲惨な拷問の場で忠庵が「キリストがこの場にいたら転ぶと思う」
非キリスト教徒としては「キリスト教の神様って,たかが絵を踏んだだけで怒るようなケツの穴の小さい神様なの?」それに「日本に平安を」って言うけど,お前ら「キリストの名のもとに」何万人の人間殺したのよ.
八百万の神様なら「とりあえず踏んどけ,転んどけ」で済むような気がする.
フェレイラもロドリゴも,ころんだ後,宗門改型として幕府の仕事をして,死後火葬にされたのだけど,さすがはキリスト教徒が作った映画,「ロドリゴは死んでも十字架を放しませんでした」的な最後になっているのが違和感.
inquisitionなんて単語Monty pythonの"Nobody expects the Spanish Inquisition!"じゃないけどキリスト教徒側が使う単語だと思ってた.
ま,ベルイマンなんかは「これだけ祈っても沈黙するのは神がいないからだ」と無神論者になったのだけど.
音楽は殆んど流れません.蝉の声,虫の声で季節感を出してます.
エンドクレジットに中華名が多いのは,ロケを台湾で行ったからでしょう.

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